メインテーマは殺人、創元推理文庫2019/9/28、アンソニー・ホロヴィッツ:著,山田 蘭:翻訳
「メインテーマは殺人」 アンソニー・ホロヴィッツ:著 東京創元社
ストーリー
自らの葬儀の手配をしたまさにその日、資産家の老婦人は絞殺された。彼女は、自分が殺されると知っていたのか?作家のわたし、ホロヴィッツはドラマの脚本執筆で知りあった元刑事ホーソーンから、この奇妙な事件を捜査する自分を本にしないかと誘われる…。自らをワトスン役に配した、謎解きの魅力全開の犯人当てミステリ!7冠制覇の『カササギ殺人事件』に並ぶ傑作!
引用: 「BOOK」データベース
プラス情報
読むネコポイント
第1位『このミステリーがすごい! 2020年版』海外編、それも2年連続1位の著者(前年は「カササギ殺人事件」)。
ノリに乗っており、こちらの作品もやはり、良くできています。
ホームズで言うところのワトソン君が、この作品では著者でもあるアンソニー・ホロヴィッツさんです。
自分勝手だけれど頭の切れる元刑事(現ロンドン警察顧問)ホーソーンに、アンソニーは翻弄されつつ、事件と彼の魅力に取り憑かれていきます。
その他、スピルバーグや指輪物語の監督など、実名で出てくるサービス精神で
「カササギ殺人事件 上下」の時とおんなじで、お腹いっぱいの内容です。
葬儀社で事前に葬儀の申し込みをした女性が、その日のうちに殺される、ところからストーリーがスタート。
彼女が過去におこした交通事故、ハリウッドで俳優として成功を収める彼女の息子、劇場プロデューサーの詐欺、が絡まり合うなか
第二の殺人が起こってしまいます。
面倒臭い性格のホーソーンと、それを毒づきながらもペアとしてアンソニーがカバー(邪魔?!)しつつ、事件の真相に迫っていきます。
全体に漂う上品で、ブラックユーモアな雰囲気はイギリスならではでしょう。
派手なアクションシーンや、大どんでん返しはありませんが、巧みなプロットで一気に読み進めたくなる作品です。
個人的には、まあ良くある感じのミステリー、構成が上手いと思わずにはいられない本でした。
ここまで評価が高いのは、読みやすい文体とわかりやすい内容だからですかね。
シリーズ10作決定(きっと映像化にもなるんだろうな〜と)。
ドラマや映画は、俳優にもよりますが映えそうですね。
おすすめ本
【メインテーマは殺人】に興味を持った方には、次の小説もおすすめです。
♞「カササギ殺人事件 上下」
♞「パリ警視庁迷宮捜査班」
♞「カルカッタの殺人」