「ストーンサークルの殺人」M・W・クレイヴン:著 早川書房
ストーリー
犯人はなぜわざわざストーンサークルで死体を焼き損壊しているのか、謎は積み重なっていく。
そしてマスコミに連続殺人犯は「イモレーション・マン」と名付けられる。
3番目の被害者に、停職中の国家犯罪対策庁の警官ワシントン・ポーの名前と「5」が刻み付けられているのを発見したのは
SCASで分析官のティリー・ブラッドショー、彼女は自閉傾向のみられる個性的な女子。
停職中のポー、彼の元部下で現在上司のステファニー・フリン、繊細でハイスペックなティリーは捜査が進むにつれ、
目を覆いたくなるような事実が顕になるなか犯人を追い詰めることができるのか。
ポーの国家犯罪対策庁での立場はどうなるのか?
悲劇の連鎖は断ち切ることができるのか!!
プラス情報
M・W・クレイヴン
イギリス・ミステリ界の頂点
英国推理作家協会賞最優秀長篇賞
ゴールド・ダガー受賞
ストーンサークルの殺人 2020
ブラックサマーの殺人 2021
キュレーターの殺人 2022
グレイラットの殺人 2023
読むネコポイント
「ストーンサークルの殺人」という題名から、古典推理系の内容かと思って読み始めたので驚きました!
破天荒なポーを中心にジェツトコースターのような展開で
これは収集つくのかな?と途中心配になりましたが、見事終着点へ到着しまして
見事な構成力の M・W・クレイヴン氏でした。
推理自体は予測できる範囲内でしたが、そんなことより何より
ポーの面倒臭いキャラが圧倒的です。
刑事の性分を持ってして生まれてきた正義感熱い男。
直感力が鋭く、真相に近づくにつれ組織からはみ出しがちな行動をとり
役所仕事の上司からは疎んじられますが、スルーしながら解決へ導く格好よさ。
なんだかんだといいながら、ポーの捜査をフォローし支えるフリン。
掛け値なしの真っ直ぐな性格のティリーとポーの間には友情が芽生え始め、それが最終的にポーを救ったりします。
余談ですが、管理人きょまタローとティリーは同じ脳の資質を持っていると思われます。
自閉スペクトラム症です。詳しくはこちら
きょまタローはもちろんティリーのような天才ではありません w
ティリーほど頭脳明晰でない分、協調性に無頓着でもなくどうにか社会生活を送る程度をこなす、グレーゾーンというやつです。
ポーやティリーのような人は近くにいたら大迷惑だったりするでしょうが
誰しもの心の中にある「常識を吹っ飛ばした先にある正義」を貫く姿は
憧れるしなってみたいが出来ない現実と相まって、とにかく応援したくなります。
次作のポー主役のシリーズの翻訳も決定しているそうですし
何作か続けば映像化されそうな楽しみな作品です。