「ブラックサマーの殺人」アM・W・クレイヴン:著 ハヤカワ・ミステリ文庫
ストーリー
当時ポーは早い段階で、彼をサイコパスだと見抜き、事件を解決した。
事件から6年たった今、彼が殺したとされる実の娘エリザベスが、生還し警察に保護された。
再捜査が始まり、あらゆる証拠がジャレド・キートンの無実を指し示す。
更に、ポーが事件に関わり、キートンに罪を着せた疑いがかかる。
絶体絶命のポー。
仲間のフリン、ティリー・ブラッドショーと事件は解決できるのか。
「ストーンサークルの殺人」につづくワシントン・ポーシリーズ第二作目。
プラス情報
ワシントン・ポーのシリーズ
ストーンサークルの殺人 2020 英国推理作家協会賞最優秀長篇賞 ゴールド・ダガー受賞作
ブラックサマーの殺人 2021
読むネコポイント
すごーーく楽しみにしていて、勝手にハードルが高くなっていたのです。
前作「ストーンサークルの殺人」は、題名が良い!
ポーという、超面倒くさい主人公がいい味だしている!
更に親友?!の自閉傾向の天才女子 ティリーもキャラが立ってる!
突風のように私の前に現れた本だったので、印象深かったのです。
北といえばスコットランドエディンバラしか馴染みがなかったのもあり
英国カンブリアが舞台で、すごく新鮮だったのです。
その二作目、ブラックサマーの殺人。
おおっ、題名がまたいいではありませんか。
ブラックサマーってなに?? とググりたくなります w
そして内容はと言いますと・・・
今回は美食やセレブ、サイコパス、と前回よりもキャッチーな始まりです。
ポーやティリーは、キャッチーさとは無縁でその反対を行く人たちなだけに、対照的。
接点は、エリザベスが田舎の警察に保護され生きていたことがわかり
ジャレド・キートンはどうやって罪を逃れようと画策したのかの「謎」だけです。
テンポも良いし、謎解きの過程や、他に絡まってくるポーの隣人や
明るくアホな飼い犬スプリンガースパニエルのエドガーの登場など、なかなか興味深く進んでいきます。
が、肝心の 「謎」 解きが
ううーーん
残念、、、な感じでした。
ちょっと納得しかねるような薄っぺらい感じがしました。
これは前作で、途中なんとなく結末が見えてしまった時と同様、
このシリーズにその点は求めない方が清々しく読めるのかもしれません。
ただ、前回はクライマックスへ怒涛の如く進んでいく圧倒的なパワーが
全てを覆い尽くすほど面白かったのですが、
今回はそれもあまりなかったので、ちょっと物足りなかったです。
しかし、題名がいいなぁ M・W・クレイヴンさん。
聞いたことがある単語の連なりなんだけど、言葉としては知らないあたりを持ってくるので
毎回「んんっ??」と目を止めてしまいます。
ポーとティリー 世間擦れしたコンビの活躍が、次回も楽しみです!!