【 黒い錠剤 スウェーデン国家警察ファイル 】ハードボイルド女性警部の新シリーズ到来!

黒い錠剤 スウェーデン国家警察ファイル (ハヤカワ・ミステリ) 新書2023/11/7はパスカル・エングマン著,清水由貴子,下倉亮一翻訳

「黒い錠剤 スウェーデン国家警察ファイル」リパスカル・エングマン:著 早川書房

ストーリー

スウェーデンストックホルムの国家警察殺人捜査課の女性警部

ヴァネッサ・フランクの元に、女性が惨殺された事件が舞い込む。

恋人の服役中ギャング、カリムの仮釈放中の仕業だとみていたが

報道デスクのジャスミナ・コバックが事件当日カリムからレイプ被害にあったのを

バネッサに打ち明けたことで事件は急展開を迎える。

先進国で暗躍する「インセル」の社会問題がテーマのクライムミステリー




プラス情報

スウェーデンでのベストセラー〈ヴァネッサ・フランク〉シリーズ第2弾!日本初上陸

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読むネコポイント

題名が昭和の松本清張みたいでエモさを感じ、読んでみました。

事前情報は管理人きょまタローのいつもの如く、全く無い状態でまっさらな状態。

早川ミステリーは最近ポップな感じになってると認識していたので

表紙もなんだか古い感じ。アラフィフ以上は懐かしいのでは無いでしょうか

そこまで期待していなかったのですが、読み始めると・・・



まず、読みやすいです。

北欧やドイツのミステリー小説の印象が

くらい

描写が粘着質

なので、本が厚い w

だったのですが、この本はサクサク読める稀有なタイプです。

ミレニアムみたいな感じ。

登場人物ごとの時系列も、分かりやすく

カリムと恋人エメリの関係や、彼女の殺人事件からスタートし

同時に、報道機関でジャスミナ・コバックの置かれた立ち位置から、レイプ被害者への移行や

ヴァネッサ・フランク、同僚のオーヴェや上司ミカエルの関係性

などなど上手に違和感なく進行していきます。

物語のキーマンである、ニコラス・パレデスの存在も見逃せません。




ここからネタバレあります!!

TV司会者オスカル・ショーランデルの不倫相手ラケルの殺害事件が起き、

犯人はショーランデルで捜査は進んでいたにも関わらず、カラムに続き又も不発。

ヴァネッサ・フランクの勘がカリムの事件と繋がりを見出しますが、上層部にスルーされます。

同僚のオーヴェが未明の犯人に撃たれ、

とうとうヴァネッサの味方は、社会の日陰で生きるニコラスだけに。

どうするヴァネッサ!!

とても気丈な女性ですが、時々心の中が空っぽになり自暴自棄な行動に走ったりで、

中年女性の悲哀がたっぷり伝わってきます。

ちなみに、ヴァネッサは金髪碧眼、スリムな美女ですが、そんな彼女が完璧ではないところがいいのかもしれません。

そして、ヴァネッサニコラスの関係は、シリーズ第一弾(日本未発売)を読まないと分かりませんが

同志の絆と共に、お互い惚れているのは確実です。

が、

大人の事情で、ニコラスはイギリスへ旅立ち再出発することが決まっています。

シリーズ第三弾の刊行が待たれますね〜!

本国では5弾まで発売済みだそうなので、日本でも人気が出れば1から読めるはず。

オレンジ早川さん、期待しています!!