「カッティング・エッジ」 ジェフリー ディーヴァー:著 文藝春秋
ストーリー
イタリアを舞台にした前作『ブラック・スクリーム』から一転、ニューヨークに跳梁する殺人者との対決を描く本書は、『ボーン・コレクター』『ウォッチメイカー』の路線を引き継ぐ原点回帰の作品となりました。ダイヤへの妄執と婚約したカップルへの殺意を宣言する殺人者プロミサー。後半に入るや、次々に意外な真相が明らかになり、大胆な犯罪計画が姿を現わす―まさに“ドンデン返しの魔術師”ディーヴァーの面目躍如の傑作です。
引用: 「BOOK」データベース
読むネコポイント
ダイヤモンドがテーマとなった今作
ダイヤモンド商に関する殺人事件が続く中、リンカーンライムとサックス、捜査陣はその裏に隠された真の理由を追い求めることに。
専門性の高い鉱物を巡る知識や、商売の流れ、移民に関する問題、と
ロシア、インド、イスラム、カトリック、ラテン系など様々な人種や宗教が絡まりつつ、事件の終末どこに向かうのか?!
殺人事件の他に、ライムはある事件の証拠物件を再度見直す案件にも取り掛かります。
それが思わぬ展開に、、 そうそれは過去の因縁の相手が絡んでいたものだったのです。
とても評価の高いリンカーン・ライムシリーズですが、今回もエンターテイメント性として安定した内容です。
ですが、個人的にはもう、こういった事件の詳細が(鑑識技術)繰り返され、犯人を追い詰めるも二転三転する展開、
というパターンに少しマンネリを感じてしまいました。
事件内容よりもむしろ、リンカーンの病状や、パートナーのサックスとの関係性など
人間性が垣間見える場面に最近は本シリーズの魅力を感じるようになってきただけに、
今回はその描写はあまりみられなかったため思い入れもできませんでした。
とはいえ、内容は上手にまとまっているし、心理戦や作品のムードではなく
ハリウッド的な、矢継ぎ早な手に汗にぎる展開は、流石のベストセラーのシリーズです。
おすすめ本
【カッティング・エッジ】に興味を持った方には、次の小説もおすすめです。
♞ドイツ警察男女ペア「生者と死者に告ぐ」
♞探偵コール&パイク「指名手配」