「正義の孤 上下」マイクル・コナリー:著 講談社文庫
ストーリー
最優先事項である、30年前女子高生が殺された未解決事件解決が進展しない中
バラードは不穏なまま別れたハリー・ボッシュをボランティアとして参加を促す。
しかし肝心の事件を追わず、過去担当したギャラガー一家殺害事件に執念を燃やし続けるボッシュを始め、
霊的な共感能力者コリーン・ハッテラスや、他個性的なメンバー、
更に、班存続の鍵を握る市会議員との攻防で、バラードは又しても政治的背景に巻き込まれる。
ボッシュは、バラードは、未解決事件班は事件を解決できるのか。
ハリー・ボッシュとレネイ・バラード共演第4弾。
プラス情報
マイク・ルコナリー作<ハリー・ボッシュシリーズ>
1992「ナイトホークス」 〜 本作22弾 まだまだ続きそうです
読むネコポイント
前作「ダークアワーズ」の続編になる、と聞いていたので
それはそれは楽しみにしていました。
そして、その期待をはるかに超える内容でした。
全く飽きることなく、込み入った事件経過も最後までサクサク読ませる
マイクル・コナリーの巧みなプロット!
更には、下巻半分を経過したところから新たな展開が待ち受けていて、
そこから先は怒涛の如く進みます。
えっっ、そーゆー感じにいくとは、全然思ってなかったんですけど?!
あれあれ?? どーなるの?
どーなるんだーー??
ここから先はネタバレあるので、気をつけて下さい!!
ボッシュとバラードが新たな未解決事件班で2つの事件を追い始めます。
何重にも包まれた政治的背景や、個人の事情が絡まり合い、二人は組織の軋轢に苦しみながらも、
事件を追い続ける、、、ということは想定してました。
が、
なんか、違うのよ、今回。
バラードが事後始末に奔走している間に、ボッシュが我が道をどんどんと進み、
猛ダッシュでどっかへ行ってしまいます。
ボッシュが「パンくず」をまき散らした跡を、バラードと娘のマディが拾い集めていくのですが
そ・そこには・・・
以前ボッシュは事件解明中の被爆で白血病を患い、病と戦っていました。
前作「ダーク・アワーズ」終わりでは小康状態を保っており、
バラードと一緒に探偵事務所を開く予定を立てるまでに回復。
が、バラードは警察に留まりる事と引き換えに、未解決事件班の責任者なるわけで
バラードとボッシュの仲は一定の距離が置かれた状態でした。
その間、ボッシュの病状は悪化しており
今回の未解決事件班の復帰は、ある覚悟の上でだったことが最後の最後に明かされます。
そ、そんな・・・
急展開でこのシリーズは終わってしまうの?
執筆後に心境の変化があったらしいですよ。
どうやら、もう少し、ボッシュとは会えそうです。
とりあえず、次作の、弁護士ミッキー・ハラーシリーズ(リンカーン弁護士)に、ボッシュも関わっていそうですし
またまた、レネイとのタッグもあり得るかもしれません。
レネイシリーズへ引き継がれる形でもなんでもいいので
とにかくハリーに会いたいものです。
なんか、刑事ヴァランダーと重なるなぁ・・・ さみしくて涙で前が見えません