「サイコセラピスト」アレックス マイクリーディーズ:著 早川書房
ストーリー
抑圧的な父親のもとで育ち、苦しんだセオ。自分と似た境遇の人々を救いたいと願う彼は、心理療法士になった。順調にキャリアを重ねるうち、彼はずっと気になっていた六年前の殺人事件の犯人―夫を射殺した画家―を収容する施設の求人広告を目にする。事件以降ずっと沈黙している彼女の口を開かせることができるのは、僕しかいない。そう思ったセオは彼女の担当に志願するが…。“ニューヨーク・タイムズ”ベストセラー・リストに連続23週ランクイン。巧みなプロットと戦慄のラストに圧倒される傑作ミステリ。
引用: 「BOOK」データベース
プラス情報
著者略歴
1977年キプロス生まれの作家・脚本家。ケンブリッジ大学卒業後、アメリカン・フィルム・インスティテュートで脚本を学ぶ。初の小説となる『サイコセラピスト』が世界的ベストセラーとなる
「BOOK著者紹介情報」
読むネコポイント
題名が読んだ後から納得でしたが、原題が「サイレントペイシャント」/span>だったと知り、そっちの方がいいのになと。
サイコとセラピスト の方がキャッチーで耳に残るからなんでしょうね。
内容は、なんだかべっとり粘着質な臨床心理士の「セオ」と、口をきかない殺人事件加害者であり患者でもある「アリシア」との心理バトルです。
アリシアはなぜ事件を起こしたのか。家で夫を椅子に拘束し、銃で5発打ち込んだ背景は?
その後、一切口を開くことなく精神病院に入れられ、薬漬けにされている現状に興味を持ったセオは、わざわざ転職してアリシアを救おうとし始めます。
話は後半まで、もたもたと進みません。アリシアの言動はなかなか点から線へ結びつかない。
後半一気に、怒涛のごとく真実が明らかになります。
その手腕はお見事です。
映画にはなるかな? 少し地味ですかね。
でも本としては、全体に漂う陰気な雰囲気と、読んだ後のイヤミス感、などは高得点だと思います。
話の分量もちょうどいいです。これ以上長いと重くなるので。
デビュー作がベストセラーって、次の作品の期待度が上がりますね。