【 炎の爪痕 】最終シェトランドシリーズ-さようならペレスそしてありがとう


炎の爪痕は東京創元社の推理文庫2022/12/19アン・クリーヴス著,玉木亨翻訳

「地の告発」アン・クリーヴス:著 創元推理文庫

ストーリー

イギリスの北、シェトランド諸島が舞台のジミー・ペレス警部シリーズの8作目であり最終話

シェトランド新四重奏シリーズ(ペレス警部シリーズ)の第4作目。

シェトランドの北西のデルタネス、本土から移住したへレナとダニエル夫妻の納屋で、首吊りの死体が発見される。

死体は名家モンクリーフ家の住み込みの子守、エマ・シアラーだった。

以前納屋では元住人デニスが自殺し、今回のエマは自殺に見せかけた他殺と、謎が深まる。

彼女はなぜ殺されなければならなかったのか。

担当捜査官のジミー・ペレスは、本島から主任警部ウィロー・リーヴスを呼び寄せせるが

二人は友達以上恋人未満であり、上司と部下、更にウィローには重大な隠し事があった。

家庭内に緊張が走るヘレナ、問題だらけのモンクリーフ家、そしてペレスウィローの停滞した関係は?

シリーズ最終話、圧巻の結末。




プラス情報

大鴉の啼く冬 シェトランド四重奏 CWA最優秀長編賞受賞作
白夜に惑う夏 シェトランド四重奏
野兎を悼む春  シェトランド四重奏
春雷の光る秋 シェトランド四重奏
水の葬送 ペレス警部シリーズ
空の幻像 ペレス警部シリーズ
地の告発 ペレス警部シリーズ
炎の爪痕 ペレス警部シリーズ 本書
(出版年月が古い順)

水の葬送、創元推理文庫2015/7/19アン・クリーヴス:著,玉木 亨:翻訳

「水の葬送」は新たなペレス警部シリーズのはじまり

2020年2月3日

「青雷の光る秋 」はシェットランドの情景が浮かぶ警察ミステリー

2019年11月8日
地の告発:創元推理文庫日本語2020/11/30アン・クリーヴス:著,玉木亨翻訳

【 地の告発】ペレスとウィローの仲が事件とリンクして深まる

2021年3月12日

↓↓↓ アンクリーブスの新「マシュー・ヴェン警部シリーズ」

哀惜 ハヤカワ・ミステリ文庫 2023/3/23アン・クリーヴス:著,高山真由美:翻訳

【 哀惜 】地味めな主人公マシュー・ヴェン新シリーズ、今後化けるかな?!

2023年7月6日

読むネコポイント

シェットランドシリーズの最終話「炎の爪痕」

読みたいような寂しいような複雑な気持ちで迎えました。

だって、終わっちゃうんですよ、、

このシリーズの最終章なんです。

これまでの作品を振り返ってみると分かるんですが、

表紙の色合いがどんどんと明るめになってきております。

最終話は、茜色ですがこれは夕焼けなのか朝焼けなのか、、ふふふ

もう是非読んで体感してください w



ウィロー上級捜査官と、部下に当たるペレス警部の関係はどうなるんだ?!

さらに部下の不器用なサンディは恋人とハッピーエンドを迎えるのか

ペレスの義理の娘キャシーは、本当の父親ダンカンと暮らすのか。

ああぁ、課題がいっぱいです。

最後まで何一つ進展しません。

ペレスは暗いし、心身ともにお疲れ気味のウィローと噛み合わず、彼の意固地な部分が全面に出てきてしまい

「えぇ〜っ、もしかしてお別れしちゃうの???」

ネタバレになっちゃうので、ここまでとします。




事件はヘレナ一家の納屋で、首吊り死体が続け様に発見された事が発端です。

息子クリストファーは自閉症児ASD、妹のエマはややADHD気味で落ち着きがなく、

更に夫(彼もASDの疑いが)は島に移住後殻に閉じこもってしまい、ヘレナの気苦労半端ないです。

>>管理人きょまタローとリンクする部分があり、ちょっと感情移入 詳しくはプロフィールで

ヘレナはシェトランド編みを取り入れたアパレルデザイナーで成功した、島でちょっとした有名人。

島民からの妬みや嫉み、息子の奇怪な言動も拍車をかけて、なかなか島に溶け込めません。

唯一仲良くしている旧家モンクリーフ家は、一見成功し文化度の高い家に見えましたが

実は育児放棄気味の両親、4人の子供は愛情不十分、捜査と供に家庭内の問題が明るみに。

子守のエマは控えめな印象ですが、裏の顔をいくつもを持っており、実体が掴めません。

とりあえずモテます w

彼女の壮絶な生い立ちが分かってきても、事件解明の手がかりには結びつかず、捜査は難航。

事件は進まないし、ペレスは終始 ぐずぐずジメジメ してて

「ああっ、もう、イライラする〜」と何度言ったことか。

もちろんペレスも分かっているんです、自分の不甲斐なさを。

ただ、あまりにも多くの難問が彼を襲い、情報処理しきれなかったのでしょう。  

でも、安心して下さい!

最後にはいつもの優しく控えめで、共感力の高い素敵なペレスに戻ります。

そしてこのシリーズは船上で空を見ながら終わりを迎えます。

ありがとう、ペレス、大好きでした。

夢中で全作品読みました。

新刊出るのが楽しみで、心にときめきを届け続けてくれたアン・クリーブスさんに感謝です。