「地の告発」アン・クリーヴス:著 創元推理文庫
ストーリー
シェトランド新四重奏シリーズ(ペレス警部シリーズ)の第4作目。
シェトランドの北西のデルタネス、本土から移住したレナ・ダニエル夫妻の納屋で、首吊りの死体が発見される。
死体は名家モンクリーフ家の住み込みの子守、エマ・シアラーだった。
以前納屋で元住人デニスが自殺、エマは自殺に見せかけた他殺であり、謎が深まる。
彼女はなぜ殺されなければならなかったのか。
担当捜査官のジミー・ペレスは、本島から主任警部ウィロー・リーヴスを呼び寄せせるが
二人は友達以上恋人未満であり、上司と部下、更にウィローには重大な隠し事があった。
家庭内に緊張が走るヘレナ、問題だらけのモンクリーフ家、そ
してペレスとウィローの停滞した関係は?
シリーズ最終話、圧巻の結末。
プラス情報
大鴉の啼く冬 シェトランド四重奏 CWA最優秀長編賞受賞作
白夜に惑う夏 シェトランド四重奏
野兎を悼む春 シェトランド四重奏
春雷の光る秋 シェトランド四重奏
水の葬送 ペレス警部シリーズ
空の幻像 ペレス警部シリーズ
地の告発 ペレス警部シリーズ
炎の爪痕 ペレス警部シリーズ 本書
(出版年月が古い順)
読むネコポイント
本シリーズ最終話「炎の爪痕」
読みたいような寂しいような複雑な気持ちで迎えました。
だって、終わっちゃうんですよ、、涙
このシリーズの最終章なんです。
これまでの作品を振り返ってみると分かるんですが、
表紙の色合いがどんどんと明るめになってきております。
最終話は、茜色ですがこれは夕焼けなのか朝焼けなのか、、ふふふ
もう是非読んで体感してください w
ウィロー上級捜査官と、部下に当たるペレス警部の関係はどうなるんだ?!
さらに部下の不器用なサンディは恋人とハッピーエンドを迎えるのか
ペレスの義理の娘キャシーは、本当の父親ダンカンと暮らすのか。
ああぁ、課題がいっぱいです。
最後まで何一つ進展しません。
ペレスは暗いし、心身ともにお疲れ気味のウィローと噛み合わず、彼の意固地な部分が全面に出てきてしまい
「えぇ〜っ、もしかしてお別れしちゃうの???」
ネタバレになっちゃう前に、ここまでとします。
事件はヘレナ一家の納屋で、首吊り死体が続け様に発見された事が発端です。
息子クリストファーは自閉症児ASD、妹のエマはややADHD気味で落ち着きがなく、
更に夫(彼もASDの疑いが)は移住後殻に閉じこもってしまい、ヘレナの気苦労半端ないです。
>>管理人きょまタローとリンクする部分があり、ちょっと感情移入 詳しくはプロフィールで
ヘレナはシェトランド編みを取り入れたアパレルデザイナーで成功した、島でちょっとした有名人。
島民からの妬みや嫉み、息子の奇怪な言動も拍車をかけて、なかなか島に溶け込めません。
唯一仲良くしている旧家モンクリーフ家は、一見成功し文化度の高い家に見えましたが
実は育児放棄気味の両親、4人の子供は愛情不十分、捜査と供に家庭内の問題が明るみに。
子守のエマは控えめな印象ですが、裏の顔をいくつもを持っており、実体が掴めません。
とりあえずモテます w
彼女の壮絶な生い立ちが分かってきても、事件解明の手がかりには結びつかず、捜査は難航。
事件は進まないし、ペレスは終始 ぐずぐずジメジメ してて
「ああっ、もう、イライラする〜」と何度言ったことか。
もちろんペレスも分かっているんです、自分の不甲斐なさを。
ただ、あまりにも多くの難問が彼を襲い、情報処理しきれなかったのでしょう。
でも、安心して下さい!
最後にはいつもの優しく控えめで、共感力の高い素敵なペレスに戻ります。
そしてこのシリーズは船上で空を見ながら終わりを迎えます。
ありがとう、ペレス、大好きでした。
夢中で全作品読みました。
新刊出るのが楽しみで、心にときめきを届け続けてくれたアン・クリーブスさんに感謝です。