「地の告発」アン・クリーヴス:著 創元推理文庫
ストーリー
イギリスの北、シェトランド諸島が舞台のジミー・ペレス警部シリーズの第7作目であり
シェトランド新四重奏シリーズ(ペレス警部シリーズ)の第3作目。
シェトランド本島南部のレイヴンズウィックで大雨による地滑りが起きたことから、
誰も住んでいないはずの家から身元不明の女性の死体が発見される。
女性は元セレブで過去にシェトランドに結びつきがあったことが徐々に明らかに。
なぜ殺されなければならなかったのか、なぜ身元を偽り空き家に住んでいたのか、謎は深まる。
ジミー・ペレスは本土インヴァネス署の主任警部ウィロー・リーヴスと再会を果たすが、
そこには微妙な恋愛感情もあるのかないのか、、事件と二人の関係がリンクして進む。
プラス情報
大鴉の啼く冬 シェトランド四重奏 CWA最優秀長編賞受賞作
白夜に惑う夏 シェトランド四重奏
野兎を悼む春 シェトランド四重奏
春雷の光る秋 シェトランド四重奏
水の葬送 ペレス警部シリーズ
空の幻像 ペレス警部シリーズ
地の告発 ペレス警部シリーズ
炎の爪痕 ペレス警部シリーズ
(出版年月が古い順)
読むネコポイント
まず、悲しいお知らせで、次作で本シリーズは終了だとのことです。
既に英国では出版されていますので、日本で出るのは来年再来年あたりでしょうか。
確かに狭いシェトランドだともう無理かなあ、ネタも登場人物も背景も、、と思いつつも
あぁ 良質の推理警察小説が終わってしまうのねと名残惜しいです。
なんせ管理人きょまタローはペレス刑事に、ちょっとほの字なので。
こうゆう哀愁漂う寡黙な男性に弱いのです。
今作ではウィロー上級捜査官と、部下に当たるペレス警部が、なんとな〜く思いを寄せ合っているところから
一気に関係が深まる様子が、事件が進む中で自然に描かれています。
事件は身元不明女性の遺体が誰なのかから始まり、何のために島に滞在しているのか分からず
ロマンチストのジミーは、そのミステリアス女性に思いを馳せます。
しかし、女性には暗い裏面があり、それが犯罪と結び付いたのではないかと
終盤では一気に話の展開が進みます。
ペレスの近所に住むヘイ一家は事件関係者として騒動に巻き込まれ、
健全そのものに見えた家族像が崩れていく様や、
石油やガスの天然資源の採掘で、揺れるシェトランドの様子など淡々と描かれています。
さてはて
隠なペレスと、陽なウィローは相性が良さそう。
次作でキャシーはどうなるのか、結婚出来るのかサンディは、とか
気になる点が盛り沢山です。