「指名手配」は西海岸のハートウォームなハードボイルド、探偵コール&パイク

指名手配|創元推理文庫、ロバート・クレイス:著,高橋 恭美子:翻訳

「指名手配」 ロバート・クレイス:著 創元推理文庫

ストーリー

私立探偵エルヴィス・コールは、ある母親から、最近妙に金回りがいい息子タイソンのことを調査してほしいという依頼を受ける。どうやら少年は仲間とともに裕福な家からの窃盗を繰り返しているらしい。警察より先に身柄を確保し、自首させたいという母親。だが、コールの先をいくように、何者かが少年の仲間を殺していた。そして少年の身にも…。『容疑者』『約束』に続く第3弾。

引用: 「BOOK」データベース




プラス情報

私立探偵コール&パイクシリーズ

指名手配 (創元推理文庫)
約束 (創元推理文庫)
容疑者 (創元推理文庫)




読むネコポイント

私立探偵で一見軽そうだが実は出来る男のコールと、超寡黙な相棒パイクのシリーズです。

二人ともアウトローなんですが、実は有能で、信頼が出来、そして優しいのです。

このコンビのコントラストや絶妙な間合いが、読んでいると癖になります。




話の展開は、依頼人(母)の息子が事件に巻き込まれているので助けてほしい、からスタートし

自分勝手で個性的な息子をはじめ、その周りのキャラが濃く、ややこしい事件に発展していきます。

死者やドラッグが絡んだりで、西海岸の裏事情など殺伐とする部分もありますが

それが重くないんですね。

それは、コール&パイクがどんな危機的状況でも、ユーモアを忘れず、

それぞれのキャラがぜんぜん反省しない様子や、

なんだかんだ言っても有能な二人が、事件をさばいちゃうからでしょう。

アメリカ西海岸ものでは マイクル・コナリー の「ボッシュシリーズ」が、ドラマ化されて成功していますが

こちらは一味違う、ハートウォームなハードボイルドで、是非映像が見たいなと思います。

パイクの役、美味しいだろうなぁ。