【 集結 (P分署捜査班) 】ナポリの寄せ集め刑事がいい感じに活躍

集結 (P分署捜査班)創元推理文庫2020/5/29マウリツィオ・デ・ジョバンニ:著、直良 和美:翻訳、東京創元社

「集結 (P分署捜査班)」マウリツィオ・デ・ジョバンニ:著 創元推理文庫

ストーリー

敏腕なジュゼッペ・ロヤコーノ警部がマフィアとの内通疑惑を払拭できないまま左遷されたその先は

ナポリの治安が最も悪い地区のピッツォファルコーネ署、「P分署」だった。

P分署は汚職により4人の刑事が馘になり、急遽欠員を埋める口実で、各地から問題児が集められた

存続さえ危ぶまれている警察署だった。

新署長のルイージ・パルマは正義感が強く陽気な人柄で、スノードーム収集家の女性資産家殺人が起きると

あっ、という間に急ごしらえの新生チームを作り、盛り上げていく。

シニカルなロヤコーノはチャラいマルコ・アラゴーナとペアを組まされうんざりしていた。

が、捜査が進むにつれ、パルマの統率力に感嘆し、若いアラゴーナにも見処が垣間見えてくる。

自分を自制出来ないロマーノは、署内で発砲事件を起こした女性刑事アレッサンドラ・ディ・ナルド

監禁疑惑のある美貌の女性の捜査を進めていく。

ジョルジョ・ピザネーリ副署長はガンを隠したまま、連続殺人事件疑惑を一人で追いかける。

ネット情報収集の達人オッタヴィアは、その魅力的な癒し系の風貌の裏に、誰にも言えない悩みを抱えていた。

同時に複数の事件が進むP分署は無事事件を解決できるのか!

はたまた、上層部の思惑通り閉鎖されてしまうのか!




プラス情報

著者略歴
マウリツィオ・デ・ジョバンニ
1958年ナポリ生まれ。銀行に勤めるかたわら応募した文学コンテストで高く評価され、2006年に長編Le lacrime del pagliaccioで本格的に作家デビュー。同書を第一作とする“リチャルディ警視”シリーズと、ロヤコーノ警部を主人公に13年刊の『P分署捜査班 集結』から開始した“P分署捜査班”シリーズのふたつで知られる

引用: BOOK著者紹介情報

 




読むネコポイント

ずっと読もうと思っていたのに、他に読むシリーズが続々刊行され、後回しになっちゃっていた

「集結 P分署捜査班」 ですが、読み始めたらあっという間でした。

前評判はインプットせず読むタイプなので、イタリアが舞台のミステリーということが分かって驚きました。

あまり、推理とか人間模様とかが陽気なイタリアと結びつかなかったのですね。

以前「カルニヴィア 三部作」 (こちらは水の都ヴェネツィアが舞台の刑事と異形の主人公の戦い)を読んで以来です。

ナポリはパンチのきいた地域があるとは聞いていましたが、まさに治安が最も悪い地区の警察の話なので

心躍るではありませんか! 面白いに決まってます!!



主人公ロヤコーノはシチリア出身のバツイチ、東洋人のような顔立ちで

検事、カフェ経営者、愛娘からモテモテです w

テンポ良し、キャラよし、無理やり感のない3つの事件のおさまり、

とても読みやすく次作をすぐにでも読みたくなる作品でした。

各はみ出し者たちも、問題をそれぞれ抱えており読み応えあり。

陽気でピザが美味しいだけじゃないナポリの地域性が色濃く描かれていて、格差社会の縮図が見られます。

絵が頭に浮かぶな〜なんて思っていたらイタリア公共放送でドラマ化されていました。

アマゾンで早くみたいぞーーこないかなーー   切望です!!