【 花嫁殺し 】はなんて哀しい女性刑事の話なんだ 涙

花嫁殺し,ハーパーBOOKS2021/4/16カルメン・モラ 著,宮﨑真紀翻訳文庫

「花嫁殺し」カルメン・モラ:著 ハーパーコリンズ・ジャパン

ストーリー

スペイン マドリードの公園で若い女性の遺体が発見される。

その被害者の頭蓋骨には、穴を開け蛆を入れられて内部から食い尽くされていた。

スペイン警察の特殊分析班の長、エレナ・ブランコ警部は事件を追ううちに

7年前に起きた被害者の姉の事件を知り驚愕する。

全く同じ手口で行われていたのだ。

結婚を控えた姉妹が何故同じ残忍な手口で殺されねばならなかったのか

ロマ人である人種差別、特殊な家庭環境、LGBT、複雑な社会背景が絡み合う。

エレナ自身の抱える問題と、ひょんなことから捜査に加わったサラテ刑事との情事、

事件は二転三転し、エレナ警部は精神的にも追い詰められていく。




プラス情報

累計40万部突破のスペイン警察・特殊分析班BAC シリーズ 三部作の第1弾

カルメン・モラ
マドリード出身の女性覆面作家



読むネコポイント

題名の「花嫁殺し」のインパクトでとりあえず手に取り、名前負けしてないといいなと思いつつ読んでみました。

あとで知りましたが、原題はもっとすごかった 「ロマの花嫁」 ,,,

ラップランドはサーミ、ジプシーはロマ、と言い換えても、マイノリティーへの差別意識は変わらないのかな、

と少し別のところに思考を馳せてしまいました。



さて、内容は生きたまま脳に蛆を埋め込んで、飼い殺しで殺人を行うという猟奇連続殺人ものです。

グロテスクな事件内容ですが、スペインの暖かい気候や軽い雰囲気、豪快なエレナ警部の行動なども手伝って

そんなに重く感じず読み進めます。

特殊分析班の特異性、有能だが個性が強いメンバー、そこに急に放り込まれるサラテ刑事は右往左往。

どうにかして、エレナに気に入られ特殊分析班所属にと自分なりに策略を巡らせますが裏目に出続けます。

後半、模倣犯だとすると誰が、何故?? あたりから空回りし始める捜査、

それに伴いエレナの精神状態が不安定になり、展開はどんどんと重くなっていきます。

猟奇殺人は読んでいて気分が良いものではないので、最近ちょっと疲れます。

インパクトはすごいんですけどね〜〜

構成は上手で、伏線もちゃんと回収して物語を終結してあり面白い読み物であるのは間違いなしです。

ジェットコースターのようなあっという間に読み進めてしまいます。

最後には、3部作ならではの次作への期待が高まる展開が!!

エレナ〜〜 頑張れ〜〜 涙

というか、頑張っても未来に幸せはあるのだろうか、、 乞うご期待です