【 指差す標識の事例 上下 】英国時代小説ミステリーは魅力あふれるガマン大会

 

「指差す標識の事例 上下」イーアン・ペアーズ:著 東京創元社

ストーリー

1663年、王政復古によりチャールズ二世が統治する英国オックスフォードで、毒薬を使った殺人事件が起きる。

第一部はヴェネツィアから来た異邦人マルコ・ダ・コーラが著述した手記で殺人事件が語られる。

第二部、第三部、第四部、それぞれ異なる語り手による手記が進むうちに少しづつ見えてくる真実は、意外なものであった。

各語り手による事実と嘘が織り交ぜられ、不安定な政治や階級社会、宗教、各人が画策し殺人事件の犯人を主張する

ミステリーと時代小説の融合作。



プラス情報

イーアン・ペアーズ
1955年、英国コヴェントリー生まれ。オックスフォード大学ウォダム・カレッジに学ぶ。美術史家やジャーナリストとして活躍。ロイター通信の特派員時代はイタリアやフランスで勤務した

池/央耿
1940年生まれ。国際基督教大学卒

東江/一紀
1951年生まれ。北海道大学卒。2014年逝去

宮脇/孝雄
1954年生まれ。早稲田大学卒

日暮/雅通
1954年生まれ。青山学院大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

引用: BOOK著者紹介情報

 




読むネコポイント

人気本で予約多数で待った末、ようやく図書館で借りたが1ページも目を通さず返却。

もう一度挑戦し、1ヶ月程かけて上下巻をようやく読み終わった次第です。

なぜなら、、長い、、 話が

おまけに、上下巻ともに字がびっしりで本が分厚いのです。

拷問本とも言える、ある意味自分に課したミッションとして読み上げた本でした。

その理由として

  • 時代背景がさっぱり馴染みのない、1600年中盤のイギリス
  • 1章はイギリスに上陸する異邦人のイタリア人が主役、より訳がわからなくなる
  • 宗教が絡み、当時の英国のキリスト教背景が複雑???

 

などなど、内容は陰鬱だし、全体の印象がジメジメしているのです。

そしてなかなか物語が進まない 、、のでとにかくガマン我慢で進めていくしかない。

じゃあなんで挫折しなかったのかというと、それこそがこの本の魅力なんだろう、

とにかく読んでいくと期待値が上がるのですよ。

2章は同じ事象に対して、別の主人公が語っていく手法がとられています。

誰だっけ、この人??、と1章を読み返しながら、ことの次第が見る人物によってこうも違うのかと

興味がじわりじわりと出てきます。

そして下巻へ。3章は更に別の人物が語り出し、少しづつことの次第が見えてきます。

しかし、稀に見る嫌なやつです。3章の主人公は w



そしてそして4章で、これまでの3人が好き勝手に手記を書いているのが明らかになります!!

結構嘘ついてるしーー!! 各々がこれ幸いと都合よくねじ曲げて書いちゃっているのが見えてきて、

4者4様の事実っていうのが面白い面白い、人ってそんなもんだよね〜と時代が違えど一気に共感の気持ちが。

ミステリ仕立てで、時代背景に基づいた実在の人物が元になっている、半分ミステリーでドキュメンタリーな

不思議な読後感をもたらします。

翻訳者を各部によって変えてあり、それもまた読み応えが出ている理由かも。

1997年に出版され、日本語訳が刊行されるまで20年以上かかったらしく、執念の作品とも言えますね。

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