【 自由研究には向かない殺人 】ピップの抜群な行動力と論理性とユーモアで進む青春ミステリー

「自由研究には向かない殺人」ホリー・ジャクソン:著 東京創元社

ストーリー

イギリスの片田舎リトル・キルトンで5年前に起きた”女子高生失踪事件”をテーマに、

夏休みの自由研究を始めた17歳の高校生ピップ

犯人と目されたたサリル・シンは自殺して真相は不明のまま。

小さな町で村八分にされているインド系英国人の「シン一家」に突撃取材を申し込む、

ピップは勇気果敢で行動力抜群だけど、無防備で突拍子もない女の子。

でも、それはシン家族に対する中傷やいじめを払拭するために事実を追求し、

ピップが幼い頃辛かった時期に優しくしてくれた、サル・シン を冤罪から救うための

確固たる信念を持った第一歩だった。

サル・シンの弟ラヴィと共に、真相解明に突き進むピップ

小さなコミュニティに蠢く影の部分が明照らされることで、脅迫や嫌がらせの横槍が入り難航する。

そして、最後には、驚きの真実が隠されていた。

青春小説プラス謎解きミステリー。




プラス情報

ハヤカワ・ミステリマガジン ミステリが読みたい! 海外篇 第1位
宝島社 このミステリーがすごい! 2022年版 海外編 第2位
週刊文春2021ミステリーベスト10 海外部門 第2位
2022本格ミステリ・ベスト10 海外篇 第2位
ブリティシュ・ブックアワード受賞

ホリー・ジャクソン
2019年  【 自由研究には向かない殺人 】 でデビューしカーネギー賞の候補となる
<<ピップ三部作>>
ハヤカワ・ミステリマガジン2022年1月号「ミステリが読みたい!」第1位の1作目
自由研究には向かない殺人 2021/8/24
優等生は探偵に向かない 2022/7/20
卒業生には向かない真実 2023/7/18

卒業生には向かない真実は創元推理文庫2023/7/18、ホリー・ジャクソン著,服部京子翻訳

【 卒業生には向かない真実 】なんだか残念な最終作、自己の探求概念への旅

2023年11月6日
優等生は探偵に向かないは創元推理文庫、ホリー・ジャクソン著,服部京子翻訳

【 優等生は探偵に向かない 】成長、苦悩するピップを応援したくなる青春ミステリー

2022年10月8日



読むネコポイント

もっと早くに読めたはずなのに、、手元にあったのに、、 読まずにいた私は本当にバカ

、、ってついついボヤいてしまうくらい、ご機嫌な青春ミステリー

ホリー・ジャクソンのデビュー作「自由研究には向かない殺人」。

主人公のピップは読み始めてすぐに好きになりました、、というのも自分と重なる部分が多かったから。

いわゆる女子力が低く、特殊なユーモアセンスを持ち、勉強が好きな女子高生。

でもオタクなわけじゃなく行動力が抜群で、猪突猛進、責任感もある男気あふれる!? ピップ(←ここら辺は似てない w)

イギリスの裕福な家庭ので学力優秀な白人女子、というと全てに恵まれている印象ですが

ピップの義理のお父さんはナイジェリア人、異父兄弟の弟はミックスで、肌の色の違う家族によりいじめの経験もあり、

英国や閉鎖的な小さなコミュニティのダークサイドも窺える内容です。




この作品は、まず題名がすごーーーくいいですね。

一発で読みたくなるし、文庫本の表紙イラストも内容と合っていて印象深いです。

更に、内容はピップの自由研究がテーマなので、関係者のインタビューの内容、地図、作業記録のコンテンツ、と進み

登場人物も決して少なくない中、込み入った人間関係や、嘘も交えられた証言も、消化しやすくまとめられています。

ピップの状況や私情、サルの弟ラヴィの気持ちや家庭の様子、失踪中のアンディの家族関係、ピップの親友カーラや姉妹、など

それぞれの事情がサクサクと進んでいき、

時に「いくら利発とはいえ、まだまだ甘いぞピップ、まだ女子高生だもんな w」と思ったり

「あ・ぶ ・なーーー い ! !」と手に汗にぎったり、

「若いっていいね ♡」とピップとラヴィの探偵コンビを微笑ましく見守ったりで

自分も大忙しで読み進みました。

陰鬱な殺人事件や社会背景も題材にしてはいますが、清々しいピップの青春風景が圧倒的なのと、

基本ピップの家族含め、明るい人たちが沢山出てくるので、

読後感は爽やか?!で、といてもいい仕上がり。

児童文学ミステリーの枠でもあるらしいので、それも納得。

分厚い文庫本ですが、あっという間に読めてしまうとお約束します!

こちらは3部作シリーズで、二作目、三作目がとっても楽しみです。