「母の日に死んだ」ネレ・ノイハウス:著 創元推理文庫
ストーリー
屋敷の主人テオの事故死かと思われたが、飼い犬のケージで人骨が発見され、
更にはラップフィルムにくるまれ死蝋化した3名の遺体が床下から出てきたことで大事件に発展。
地元の名家として有名なライフェンラート家だったが、操作が進むにつれ
夫婦の不仲、テオの陰湿な性格、妻リタの暴君ぶりと不審死(失踪)、里子への虐待、など次々と明るみとなる。
オリヴァーとピアは解決の糸口を掴みながらも捜査は難航し、犯人は連続殺人を重ねていく。
影を背負った30人にものぼる里子、尊大な態度の孫、、、いったい犯人はこの中にいるのか!!
プラス情報
【 刑事オリヴァー&ピア・シリーズ 】 世界累計1000万部突破
深い疵 2013/02/27
白雪姫には死んでもらう 2013/5/31
悪女は自殺しない 2015/06
死体は笑みを招く 2016/10
穢れた風 2017/10/20
悪しき狼 2018/10/31
生者と死者に告ぐ 2019/10/31
森の中に埋めた 2020/10/30
母の日に死んだ 2021/10/29
読むネコポイント
ドイツの人気刑事 オリヴァー&ピア シリーズ第9弾です。
しかしまあ!! なんていう題なんでしょう!? インパクトありすぎでしょ w
前回の「森の中に埋めた」の初見はプッ、、と吹き出して
「朴訥な農夫かいっっ、、」と突っ込んでしまいましたが
今回はコンプライアンスも厳しい昨今に関わらず、堂々たる題名に恐れ入りました。
それにもまして、これまでで一番読みやすく後味も悪くありませんでした。
「悪しき狼 2018/10/31」なんかは読後に悪夢を見ましたから、、 w
私の読解力が悪いのか、これまでの刑事オリヴァー&ピア・シリーズは、ドイツ人の名前が全然覚えられず
ボリューミーな厚みの本で、繰り返される重いエピソードに頭がごちゃついてしまい
最後の方は走り読んで終わることが多かった。
ですが、本作はドイツ名には苦労したものの、理路整然と読み進められました。
おそらく9作目にして「レギュラー陣とそのファミリー」が頭の中でようやく相関図となったからかもしれません。
母の日前後に起きる連続殺人犯は誰なのか、どうやらライフェンラート家及び里子の中にいるのでは、と話は進んでいきます。
しかし、みんな怪しいし、容疑者全員哀しいのです。
それぞれの過去と現在、そして何かを隠そうと嘘が織り交ぜられた証言に
ピアとオリヴァーはドイツ内を行ったり来たりします。
更に今回は、性格悪い選手権なのかな?と思うほどのメンツが揃います。
警察署長のエンゲル、ピアの妹のキム、超セレブCEOのフリチョフ、精神病院から退院したクラース
皆さんサイコパス要素強し w
そして、全員人を魅了する容姿の持ち主
怖いですね〜 w
オリヴァーは前回の事件で心を痛め警察を辞めそうでしたが、無事復帰を果たし、再婚もうまくいっている模様。
ピアは牧場を売り払い、優しく寛容なクリストフと街に移り住みます。こちらも順調。
次作ではピアとキム、そしてエンゲル署長との関係もどうなっていくのか。
シリーズはまだ続くようで楽しみです。追い続けますよ〜