【 母の日に死んだ 】ドイツ警察オリヴァー&ピアは今日もホーフハイムを奔走

母の日に死んだは東京創元社2021/10/29ネレ・ノイハウス著,酒寄進一翻訳

「母の日に死んだ」ネレ・ノイハウス:著 創元推理文庫

ストーリー

ドイツの片田舎のライフェンラート家の屋敷で遺体が発見された。

屋敷の主人テオの事故死かと思われたが、飼い犬のケージで人骨が発見され、

更にはラップフィルムにくるまれ死蝋化した3名の遺体が床下から出てきたことで大事件に発展。

地元の名家として有名なライフェンラート家だったが、操作が進むにつれ

夫婦の不仲、テオの陰湿な性格、妻リタの暴君ぶりと不審死(失踪)、里子への虐待、など次々と明るみとなる。

オリヴァーピアは解決の糸口を掴みながらも捜査は難航し、犯人は連続殺人を重ねていく。

影を背負った30人にものぼる里子、尊大な態度の、、、いったい犯人はこの中にいるのか!!




プラス情報

【 刑事オリヴァー&ピア・シリーズ 】 世界累計1000万部突破
深い疵 2013/02/27
白雪姫には死んでもらう 2013/5/31
悪女は自殺しない 2015/06
死体は笑みを招く 2016/10
穢れた風 2017/10/20
悪しき狼 2018/10/31
生者と死者に告ぐ 2019/10/31
森の中に埋めた 2020/10/30
母の日に死んだ 2021/10/29



読むネコポイント

ドイツの人気刑事 オリヴァー&ピア シリーズ第9弾です。

しかしまあ!! なんていう題なんでしょう!?  インパクトありすぎでしょ w

前回の森の中に埋めたの初見はプッ、、と吹き出して

「朴訥な農夫かいっっ、、」と突っ込んでしまいましたが

今回はコンプライアンスも厳しい昨今に関わらず、堂々たる題名に恐れ入りました。

それにもまして、これまでで一番読みやすく後味も悪くありませんでした。

悪しき狼 2018/10/31」なんかは読後に悪夢を見ましたから、、 w

私の読解力が悪いのか、これまでの刑事オリヴァー&ピア・シリーズは、ドイツ人の名前が全然覚えられず

ボリューミーな厚みの本で、繰り返される重いエピソードに頭がごちゃついてしまい

最後の方は走り読んで終わることが多かった。

ですが、本作はドイツ名には苦労したものの、理路整然と読み進められました。

おそらく9作目にして「レギュラー陣とそのファミリー」が頭の中でようやく相関図となったからかもしれません。



母の日前後に起きる連続殺人犯は誰なのか、どうやらライフェンラート家及び里子の中にいるのでは、と話は進んでいきます。

しかし、みんな怪しいし、容疑者全員哀しいのです。

それぞれの過去と現在、そして何かを隠そうと嘘が織り交ぜられた証言に

ピアとオリヴァーはドイツ内を行ったり来たりします。

更に今回は、性格悪い選手権なのかな?と思うほどのメンツが揃います。

警察署長のエンゲル、ピアの妹のキム、超セレブCEOのフリチョフ、精神病院から退院したクラース

皆さんサイコパス要素強し w

そして、全員人を魅了する容姿の持ち主

怖いですね〜  w




オリヴァーは前回の事件で心を痛め警察を辞めそうでしたが、無事復帰を果たし、再婚もうまくいっている模様。

ピアは牧場を売り払い、優しく寛容なクリストフと街に移り住みます。こちらも順調。

次作ではピアとキム、そしてエンゲル署長との関係もどうなっていくのか。

シリーズはまだ続くようで楽しみです。追い続けますよ〜