サバイバルゲーム小説「沼の王の娘」肝心な父はミステリアスな存在?!

「沼の王の娘」カレン・ディオンヌ:著 ハーパーコリンズ

ストーリー

2人の子供にホワイトカラーの夫との幸せな生活、それがとある事件を境に一変する。
過去を隠して結婚し普通を装って結婚した主人公、ヘレナは27歳。

彼女の出生は複雑だ。

拉致監禁犯の男とその被害者のあいだにできた子供であり、アメリカ・カナダ国境の山の奥の、社会と隔絶された原野の沼地で育つ。

自然の中で生き抜く術を熟知した父を崇めつつ、12歳まで電気も水道もない原始的な環境の小屋で父(ネイティブアメリカンと白人のハーフ)、木偶の坊のような愚鈍な母(拉致被害者)との3人暮らし。
偶然と裏切りとの結果、父は拉致監禁犯として捕らえられ、ヘレナと母は母方の両親の元で暮らすことになるが憧れていた現代社会での生活は思ってもいない方向に進む、、

物語は、終身刑の父が看守を殺して逃走した事件から始まる。
父の英才教育(自然の中でサバイバルで生きる)を受けた自分のみが、父を捕らえられると確信したヘレナは、家族を捨てる覚悟で旅立つ。

父と娘の心理ゲーム、過去と現在が錯綜するサバイバル小説。


オススメポイント

娘の生い立ちが複雑ゆえ、なぜ素直に今の幸せを享受しないのか、などが粛々と自問自答の形で綴られる。
過去の山奥での暮らしを全否定できないほど、自然豊かな生活の描写は素晴らしい。

女性作者なので、拉致された母の思いや立場、すべてが当たり前の環境で生まれてきた娘の立場、感情の動きなどは、よく伝わってきます。



プラス情報

バリー賞2018年度最優秀作品
映画化決定!!



読むネコポイント

物語の設定がよく出来ていて面白い。映画化決定も納得、すごく映像ばえしそうです。
訳がよくないのかわからないですが、話はまどろっこしいくらい、娘の自問自答や過去を振り返る描写が続きます。
母と娘は気の毒だと同情してしまうが、 、これが全然伝わってこないのです。

何かきっかけがあって拉致監禁したのか、生まれ持ってのサイコパス気質なのか、記載がない。

読んでいて、浮かんでこない、父の姿が。

そういうミステリアスな存在なのだ、といえばそれまでなのですが。

サバイバル描写は駆け引きは少しあるが、トリック的などんでん返しのようなものは見られず、かといってドキュメント風な内容でもないので、あれれ?といった感じで終了してしまった。

プロットがいいのに勿体無いな、食べ足りないなー小腹がすいたなーといった感じでした。

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