「青贖いのリミット」カリン・スローター:著 ハーパーコリンズ・ ジャパン
ストーリー
「ウィル・トレント」シリーズ
ジョージア州アトランタで起きた殺人事件。
血の海に横たわる元警官の惨殺死体、残された大量出血の血液型はB型RH-。
現場の鑑識証拠全ては捜査官ウィルの妻アンジーを指し示していた。
アンジーは数日前ウィルの前に姿を現し、ウィルの恋人サラには嫌がらせ行為を続けていた。
行方が分からないアンジーは既に死んでしまったのか。
事件の真相をジョージア州捜査局、アマンダ、フェイス、ウィル、サラが追う。
プラス情報
【 ウィル・トレント シリーズ 】
三連の殺意 2016年
砕かれた少女 2017年
ハンティング 2017年
サイレント 2017年
血のペナルティ 2017年
罪人のカルマ 2018年
ブラック&ホワイト 2019年
贖いのリミット 2020年
破滅のループ 2020年
読むネコポイント
この作品の次作の ” 破滅のループ ” を
運営者きょまタローは、先に読んでいました。
それ、大間違いでした!!
本作” 贖いのリミット ”を先に読むべきでした。
なぜなら、こちらの方が面白かったから。断然。
と言っても読者それぞれ好みがあると思うので、きちんとお伝えすると
”贖いのリミット”は、本作主人公ウィルと悪妻のアンジー、ウィルの現在の恋人サラ、この三角関係とともに
今までベールに包まれていたアンジーの過去と現在が絡み合い、不可思議な殺人事件と繋がっていく。
濃厚だけれどもテンポがよく、少し粘着質なカリン・スローターにしては大変読み進めやすかった。
シリーズのなかでベスト作品でした。
”破滅のループ”はクライム小説です。ウィルとサラのもどかしい関係は読んでいて面白いですが
事件に関する細かい描写が少ししつこく、本の厚みもどえらい感じで、読んでいて満腹感がえぐかった。
クライム小説の好きな人にはいいと思います。
こう書いていくと、出版社がハーパーコリンズ・ ジャパン。
ウィルとサラ、そして神出鬼没で予想外の行動をとるアンジーの関係は
まさしく”ハーレクインロマンス”要素なのかもしれない、と気がつきました。
もちろんウィル、サラ、アンジーはみなグッドルッキング、ハンサムで美人でセクシー。
そして、各々心に傷を負っています。
あれれ、正に恋愛冒険小説警察版でなないか。
もしかして、そういう需要の小説なのだろうか?
だとしても、読者をグイグイ引っ張り込んで一気に読ませてしまうのは
やっぱり内容がよく出来ていて、キャラも感情移入せずにはおれないちょうどいい感じなのでしょう。
”破滅のループ”でもうこのシリーズは読むのフェードアウトかなと思っていましたが
”贖いのリミット”読んだ後では、自作がまた楽しみとなりました。