「レイトショー 上下」マイクル・コナリー:著 講談社文庫
ストーリー
主人公レネイ・バラードは、ハワイ出身(ポリネシアとコーカソイドの混血)の三十代のロス市警女性刑事、独身、ボクサー犬ミックスの大型雌犬をコンパニオン・アニマルにしているなど、従来のコナリー作品には登場してこなかったキャラクター。ただし、警察官としての有能さと使命感は、ボッシュ刑事と共通している。
レネイは、ロス市警のエリート部門である本部強盗殺人課の殺人事件特捜班で殺人事件担当刑事として五年余り勤めていたが、二年まえ、班長に着任したロバート・オリバスにセクハラをされ、それを告発したものの、セクハラ現場に居合わせたパートナーのケン・チャステイン(『エンジェルズ・フライト』の最後に暴徒に襲われて死亡したロス市警内務監査課刑事ジョン・チャステインの息子)が保身のため、レネイの告発を裏付ける証言をしなかったせいで、告発は不問に終わり、レネイはハリウッド分署に飛ばされ、分署長がオリヴァスと警察学校の同期だったことから、”深夜番組(レイトショー)”と呼ばれる夜勤担当にさせられた。以来二年、深夜番組をパートナーのジョン・ジェンキンズとともに粛々と勤めているが、事件の本格的捜査は、昼勤担当刑事がおこなうため、やりがいを覚えずにいた。引用: 「BOOK」データベース
プラス情報
代表作
「ボッシュ・シリーズ」
「リンカーン弁護士シリーズ」
読むネコポイント
年に1、2冊は新刊を出してくれる作家、マイクル・コナリー。
コンスタントに読める、ボッシュシリーズとリンカーンシリーズを楽しみにしているいちファンです。
ボッシュシリーズはAmazonPrimeで「BOSCH」として人気シリーズに、
リンカーンは映画化され(マシュー・マコノヒー主演)、映像化が割合うまくいっているので、嬉しい限りです。
さて、今回はそんな盤石なシリーズを持ちながら、更に新たな女性刑事がヒロインの新シリーズが発表されたとあって
ワクワクしながら読み始めました。
ふ ふ ふ
やっぱり、マイクル・コナリー。
地味です。硬派です。
刑事の仕事は忍耐とルーティンワークの繰り返しで、実際はすごく地道なのが、リアリティを感じさせます。
でもって主役のレネイは、ボッシュと同じで、自分に妥協をしない(出来ない)人。
警察内の政治を煩わしく思いつつ、組織の中で正義を果たすべく、奔走します。
熱血漢でがむしゃらに頑張れば報われるなんてことは、実際の暮らしの中ではないわけで
誰もがレネイのような側面を持っていたり、持っていなかったりで、グレーなんですよね。
そこらへんを書くと、天才的に上手なマイクル・コナリー。
これからまた、魅力的な主人公が育っていくんでしょう。
ボッシュも、レネイも、読んでいくうちに癖になるんですよね。
あーもう、融通がきかないんだからっって w
でも見放せないし、時に手を差し伸べたくなるんです。
決して、愛想も良くないし、可愛げがどっちかというとないにも関わらず、、
すでに3作レネイ・バラードは発売されているそうで、翻訳されるを待つばかりです。