
「通い猫アルフィーの奇跡」 レイチェル・ウェルズ:著 ハーパーBOOKS
ストーリー
飼い主の老婦人を亡くし、ひとりぼっちになった猫アルフィー。帰る場所もなく空腹でさまよい続けたすえ、とある住宅地にたどり着いたアルフィーは、そこで“通い猫”として生きようと決める。だが訪ねた先の住民は揃いも揃って問題だらけ。世をすねた無職の男に育児疲れの主婦、デートDV被害者―そんな彼らに、いつしか1匹の小さな猫が奇跡を起こす!?全英絶賛、ハートフル猫物語。
引用: 「BOOK」データベース
プラス情報
レイチェル・ウェルズ
愛猫家。家族やペットたちとイギリスのデヴォン州に在住。
〜通い猫アルフィー シリーズ 現2020〜
第1弾 『通い猫アルフィーの奇跡』
第2弾 『通い猫アルフィーのはつ恋』
第3弾 『通い猫アルフィーとジョージ』
第4弾 『通い猫アルフィーと海辺の町』
第4弾 『通い猫アルフィーの約束』
読むネコポイント
かわいいグレーの猫の絵が表紙のこちらの本
ずっと気になっていましたが、コロナで長いお休みができ、ようやく第一弾に手をつけました。
ふてぶてしい、おぼっちゃまな家猫(表紙の雰囲気)アルフィーが猫の目を通して事件や人間関係を解決する
と、勝手にイメージしていましたが、ぜんぜん違うじゃないかーーー!! (いい意味でです)
いやぁ、この本はそんな軽い内容ではなく、本格的に猫の気持ちが全くもって代弁されている本だったのです。
のんびり家猫だったアルフィー、優しい飼い主のおばあさんマーガレットに、お姉さん先住猫のアグネスに囲まれ
ぬくぬくっと暮らしておりました。
しかし、幸せは突然終わりを告げ、ほんの短い間にマーガレットとアグネスと家を失い、野良猫の境遇に。
そこからアルフィーは過酷な試練を、トライアンドエラーを繰り返しながらくぐり抜け、生きるということを体感します。
シビアで自立した大人猫になっていくのです。
でもね、ちゃんと猫の純粋なところ(ちょっとドジでおバカなところ)や、マーガレットとアグネスに育まれた
優しくて人好きなところがアルフィーには残っています。
なので、沢山の家を渡り歩く通い猫になり、困っている人を助けること(その家の猫になる)と
自分自身も幾つもの愛をキープする(複数の家の猫になる)ことを決心します。
そうすれば、両者ウィンウィンだからです。
イギリスのロンドン、エドガー通りで、早速4軒の家の通い猫になるべく、せっせと子供と遊んだり、
落ち込んでいる女性のそばにいてあげたり、気分屋の男性を上げたり下げたりしながら
猫らしく無邪気に、仲良しになったタイガーと虫を追いかけて遊んだりで毎日大忙し。
そんな中で、安泰だと思いかけた4軒それぞれの家の問題があらわになり
アルフィーは愛や自信を失いかけます。
そして一大決心をし、問題解決に挑むのですが。
野良時代のところなんて、何度涙しかけたことか。
それだけに、猫が更に可愛く思え、アルフィーが大好きになりました。
猫好きさんにはもちろん、猫って意味わかんないし苦手という人にも、ワンステップとしてぜひ読んで欲しい本です。