「徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと」 ちきりん:著 ダイヤモンド社
ストーリー
◆著者からのメッセージ
自宅をリノベーションすることを決めたあと、ネット上の情報を検索しまくり、同時に大量のリノベ本を読みました。
それらは間取りやインテリアのヒントを得るためにはとても役立ったし、「私もこんな部屋に住みたい!」という夢を膨らませてくれました。
でもその一方、知りたいのに見つからない情報もたくさんありました。たとえば「リノベにいくらかかったか」は書いてあっても、そもそも予算をどう立てればいいのかはどこにも書いてありません。
もっとも重要なリノベ会社選びに関しても、「雑誌を見て相談に行ってみたら、すばらしい担当者に出会えた」とか
「話を聞いているうちに、ここなら任せられると思った」といった抽象的で情緒的な説明が多く、再現性がありません。そんなことを考えながらリノベ会社への相談を始めてみると、次々と知らなかったコトがわかってきました。
そのなかには「こんな重要なことを理解しないままリノベを始めるのは無茶だよね!?」と思えるようなコトも。たとえば、リノベ会社に相談に行けば大半の人が「費用はどれくらいかかりますか?」と聞くはずです。
でもこの質問にはまったく意味がありません。
「リノベにはどれくらいの期間、かかりますか?」という質問も同じです。
理由については本書を読んでいただくとして、私がこれらに気づいたのはリノベを始めたあとでした。雑誌を読み、関連サイトを見ながら考えていた「こんな感じの部屋にしたい!」という夢も、途中で諦めました。
いろいろな理由で「できない」「やるべきではない」とわかったからです。私は文筆活動をしていたので、
こうして得られた多くの学びを「これからリノベする人」にも共有したいと考え、本を書くことにしました。
本書ではリノベ会社選び、契約から設計、施工、引渡までの各プロセスについて詳述しており、
「リノベしたい。でもどこから始めればよいのかわからない」という1年前の私のような方や、
新築か中古+リノベかで迷っている方にはとても役立つ実用本になったと思います。この本の最大の特徴は「徹底的に顧客目線で書かれている」ことです。
リノベやリフォームに関する本の多くは、設計士やリノベ会社などプロによって書かれており、
「専門的で詳しいけれど、初めてリノベする客の気持ちがわかっていない」と思うこともよくありました。だからこの本は、リノベ業界で仕事をされている方にもぜひ読んでいただきたいと思っています。
なぜならここには「顧客目線で見たとき、リノベのなにがわからないのか、なにが戸惑いの源なのか」具体的に説明されているからです。
業界の方が本書を読んでくださり、専門家と素人である客の距離を少しでも縮めていただけたら、とても嬉しく思います。引用:出版社からのコメント
オススメポイント
中古物件のリノベーションを考えている人は事前に読んでおくと得策です。
費用や段取り、頼む秘訣などまとめてわかりやすく解説。
リフォームリノベーションの内訳など、鋭いちきりんの考察あり。
実際の工事のビフォーアフター画像も掲載されています。
プラス情報
<その他作品>
自分の時間を取り戻そう ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方
未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる
マーケット感覚を身につけよう「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法
社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!
ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法
読むネコポイント
10年前に中古物件のリノベーション(リフォーム)を経験しているので、あるあるとして面白かったです。これから買う人や予定している方は、読んでおくとスムーズに現場の工程を進められるのでおすすめ。
確かにこの手の工費はいささか「??」な部分があり、施工が出来る出来ないが曖昧と、通常のゼロスタートの物作りとは違う側面があります。その内情をちきりんさんが詳しく説明してくれていますよ。
そして何より一番心にガツンときたのは、取引についての考察です。
ー 世の中の取引は2種類ある ー
・共同プロジェクト型の取引
「等価値交換型の取引」は物品の購入で、八百屋さんで200円の大根を、200円の現金(電子マネー)を払って購入します。
「共同プロジェクト型の取引」の例は病院のお医者さんです。
お医者にけがを見てもらって2000円代金を払ったとします。
でも、処方薬を飲まなかったり、プロだから全部察して当たり前と病状をきちんと説明しなければ、診察結果も正しく出ません。いくら2000円払ったからと言ってケガは治らないということになります。
お医者に対し、患者は現状をきちんと話し、薬を飲んで助言を聞いて安静にする、二人の共同作業で病気を治す取引です。スポーツジムや習い事、制作発注も同じ事と言えます。
自分の仕事(デザイン)は後者の共同プロジェクト型の取引なので、これまでムズムズしていた、発注する側の倫理(丸投げしないなど)を言い得て妙、スパッと言葉にしてくれていました。
ちきりんさんの本を読むと、これまで絶対プラスになる「何か」があるんですよね。