「青異常 アノマリー」エルヴェ・ル・テリエ :著 早川書房
ストーリー
蛙を飼い愛する少女ソフィア、アフリカンアメリカンの弁護士ジョアンナ、数学者ティナ、建築家のアンドレ、
ナイジェリアのスター歌手のスリムボーイ、女優のアドリアナ、確率評論家エイドリアン、位相幾何学研究者メレディスが
パリ発NY行きのエールフランス006便の飛行機に乗り合わせ、乱気流に飲み込まれた先に待ち受けるのは、、、
3カ月後、ニューヨーク行きのエールフランス006便には同じメンツが乗っていた。
ファンタジー、ノワール、人間、SFの要素を含んだジャンルを超えた新しい形の小説。
プラス情報
フランス ゴンクール賞受賞 フランスで110万部突破
ニューヨーク・タイムズ、パブリッシャーズ・ウィークリー ベスト・スリラー2021受賞
読むネコポイント
1つの枠に収まらない、人間をつぶさに描いたお話です。
登場人物(主役)が12人、途中で出て来なくなる人もいます w
それぞれの生活や日常、悩みを描きつつ、ダブル・分身(本作では重複者)との対峙をテーマとした
SFやファンタジー要素を含んだ人間ドラマ。
各個人は現代社会での代表と言えるペルソナで、男、女、大人、子供、人種が多彩で
作者のリサーチの元、嘘臭くならないよう緻密に描かれています。
だから、重い、おもいのです。管理人きょまタローは読むのに苦労しました(アホなもんで・・・)。
思い入れをし始めると次の人物にストーリーが移る、そして「殺し屋」が途中からいなくなる、
彼は話のプロローグ的な人物で、一番気を入れて読んでいたのにどこいった、、
という具合に、肩透かしを食らわされつつもどんどん話は進みます。
訳が素晴らしいのか、読みにくくしているのか、フランス的に隠喩暗喩が盛り込まれているのかわかりませんが
難解ではないけれど、情報処理に脳がオーバーヒートしました。
これは夢なのか、現実なのか、でもすごくリアルな軍とかデジタルとか国家機密なども絡んでくるしで
ジェットコースターともちょっと違う読後感をもたらす、
口当たりが良いかと思って沢山食べたら胃もたれする食べ物たべちゃったみたいな感じの物語。
フランスってなんでも意味を持たせるんだな〜 と思わずにはいられない作品でありました。
カテゴライズを嫌う国民性も出てるかな w
新しもん好きの方には是非オススメです!!!