「木曜殺人クラブ」リチャード オスマン:著 早川書房
ストーリー
ミステリアスな過去を持つエリザベスを中心に、気のいいジョイス、熱い闘志の残るロン、精神科医のイブラヒム。
元警部で寝たきりで麻痺状態のペニーとその夫、ジョイスが思いを寄せる影のあるバーナード、施設では色々な過去を背負って今を生きる
シニアが、呑気に時に悩みながら、基本は楽しく暮らしている。
しかし、経営陣の思惑で施設は変化をもたらされ、その上その経営陣が立て続けに殺される。
木曜殺人クラブのメンツが黙っているわけもなく、警察を上回る情報力と調査力で事件を解明していくのだが、、
英国古典派正統推理小説の極み。
懐かしく、ほっこりしながら推理に挑めるユーモアたっぷりのミステリー。
プラス情報
リチャード オスマン
イギリスのバラエティー番組やクイズ番組のプレゼンター、コメディアンとして活躍。デビュー作である本書で、一躍世界的ベストセラー作家となった。全英図書賞の年間最優秀著者賞を受賞したほか、エドガー賞最優秀長篇賞、国際スリラー作家協会賞最優秀長篇賞、バリー賞最優秀新人賞、アンソニー賞最優秀新人賞など数々のミステリ文学賞にノミネートした。 –このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。引用: 出版社より
メディア関係から推理小説家といえばアンソニー・ホロヴィッツですね
読むネコポイント
なんとなーーく読み始めたのである。期待値もゼロでした。
しかし、テンポがよく読みやすい文体にどんどん引き込まれ
時に「ぷっ」と噴き出したり、ちょっと哀愁を感じてジーンとしてしまったりで
あっという間に読み進んでしまいました。
なんか、こうゆう余裕のある感じ(いかにも英国風というんでしょうか)は、一気に読むのが勿体無いんですけどね。
自分のせせこましい性が悲しい限りです。
さて、この作品は伝統的な推理小説です。
読んでいて思い浮かんだのは「ブラウン神父」シリーズ。
ゆえに、CSI的な現代科学なんてのは持ち出さないでくださいね w
そういうんじゃなく、人の生き様やリアクション、各人の背負った人生を感じつつ
起きてしまった謎解きを楽しんでください。
矛盾もありそうだけど、そういうのはスルー。
エリザベスの謎の過去を想像したり、有閑老人の孤独やイギリスの抱える問題など
人を通して事件解明までの流れを読んでいくのが面白いかと思います。
人生に正解ってないなぁ〜なんて、紅茶とスコーン片手に読むのがお勧めです。