「暗殺者の追跡 上,下」ハマっちゃうとやめられないグレイマンのジレンマ地獄

暗殺者の追跡 上マーク・グリーニー/著  伏見 威蕃/訳

「暗殺者の追跡 上下」 マーク グリーニー:著 ハヤカワ文庫NV

ストーリー

元、凄腕暗殺者グレイマンことコートランド・ジェントリー。
CIAが捉えたオランダ人銀行家が連れ去られ、イギリスの空港で大きな痛手を負うCIAとMI6。事件に巻き込まれたグレイマンは銀行家をたった一人で追跡することに。

同時にアメリカ合衆国では、元ロシア対外情報庁将校のゾーヤ・ザハロワが拘束され再訓練予定であった秘密裏の施設が、ギャングから襲撃を受けていた。グレイマンと前事件で一緒に行動したゾーヤは、その機に逃走。

2つの事件は全く関係ないように見えていたが、それはロシアギャングのロジャー・フォックスが糸を引いた計画の幕開けだった、、

CIAの存在しないはずの資産(捨て駒要員)として暗躍することになった暗号名ヴァイオレーター(コートランド・ジェントリー)、元CIA時代の上司ロマンティック(ザック・ハイタワー)らは、CIA内部の権力闘争、アメリカとロシア間の争いに巻き込まれていく。



オススメポイント

グレイマン第7弾
CIAから追われ続けたコートランド・ジェントリー、前回の「暗殺者の潜入」でとうとう、その追跡劇の陰謀が明らかにされ、グレイマンの逃亡者人生が終わった。
しかし、今度はCIAの存在しないはずの工作員となって、命令系統の一つとして組み込まれてしまった歯がゆさや苛立ちなどが始まる。
どこまでいっても不自由な中のグレイマン。



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読むネコポイント

グレイマン、大変そうなのだ、毎回。
七難さってまた七難。でも負けるなジェントリー、とにかく辛抱強い。

工作員版ダイハード、のような小説で、暗号名ヴァイオレーターはよく生きているもんだ、と感心してしまう運の良さ。
でも、もう死んだら絶対悲しいし、それでいい小説ですよ。

元上司のザックは暗号名ロマンティックとかつけられてて、なかなかいい味を出してきているし、コートランド・ジェントリーのハンドラーのスーザン(超上昇志向)との関係も読んでいてクセになってくる。

意外に女性に優しいし、ゾーヤとも両思いなのではないか。でも工作員同士で幸せにはなれないよな、なんて思いつつ。
個人的に苦難に立ち向かい耐える男性は素敵だな、と思います。