「わが母なるロージー」は母と子の関係性を問うカミーユ警部番外編

わが母なるロージー (文春文庫) 文庫2019/9/3ピエール・ルメートル

「わが母なるロージー」 ピエール ルメートル:著 橘 明美:翻訳 文春文庫

ストーリー

パリで爆破事件が発生した。直後、警察に出頭した青年は、爆弾はあと6つ仕掛けられていると告げ、金を要求する。カミーユ・ヴェルーヴェン警部は、青年の真の狙いは他にあるとにらむが…。『その女アレックス』のカミーユ警部が一度だけの帰還を果たす。残酷にして意外、壮絶にして美しき終幕まで一気読み必至。

引用:「BOOK」データーベースより




プラス情報

カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ
「悲しみのイレーヌ」
「その女アレックス」
「わが母なるロージー」
「傷だらけのカミーユ」




読むネコポイント

もうカミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズの3部作は終了したのかと思いきや、
番外編として帰って来ました。

本は薄めで、テンポよく読めます。

身長145cmの小男であるカミーユ警部は、せっかちだし頭の回転が非常に早いので、
短編にマッチしていて一気にストーリが進みます。



恋人アンナとの会話がウィットに飛んでいて、
フランス人はおしゃれだな
と感じずに入られません。

爆弾犯は早めに明かされます。
カミーユとの駆け引きがジェットコースターのように展開され、あっとゆう間に結末へ。

最後は犯人の行動はあっさりしたものです。

が、この本はそれ以前に出ている
「その女アレックス」
「傷だらけのカミーユ」
を背景に考えながら読めるという楽しみ方があるので
それはそれで、すっきりまとまっていて良いかと。

題名「わが母なるロージー」は
ジェイムズ・エルロイ「わが母なる暗黒」
から影響を受けてのもの。
「わが母なるロージー」