「印 サイン」アーナルデュル・インドリダソン:著 東京創元社
ストーリー
自殺で事件性はないと判断されたが、レイキャヴィク警察のエーレンデュルは何故か腑に落ちず,,
生前マリアは死後の世界に興味を持ち、霊媒師にかかり、
夫のパルドヴィンには怪しい過去があり、
最近亡くなった母のレオノーラと、過去に不審死した父のマグヌスなど、
マリアの死にはたくさんの糸が絡まりあい、エーレンデュルは一人で捜査を進めていく。
エーレンデュル捜査官シリーズ第6弾
プラス情報「エーレンデュル捜査官シリーズ」
「エーレンデュル捜査官シリーズ」
湿地 2012/6/9
緑衣の女 2013/7/11
声 2015/7/29
湖の男 2017/9/21
厳寒の町 2019/8/22
印 2022/5/13
アイスランド推理小説大賞受賞/CWAインターナショナルダガー賞最終候補作
読むネコポイント
このシリーズはゆったりと時が流れる感じで好きです。
アイスランドの広大な自然がそうさせるんでしょうか。
会話の滔々とした感じ、東北地方に母方の田舎があった私には、グッときます。
今回は、自殺に違いないとされ、簡単な聞き込みで終了するはずだったマリアの死をめぐり
湖のように深い深層へとエーレンデュルはハマっていきます。
と同時に娘のリンダとの距離が更に縮まっていくので、
クールなエーレンデュルの過去や家族感なども見えてきます。
元嫁も出てきますよ w
マリアの身辺を再調査しつつ、過去の失踪事件2つも同時に個人的に追うエーレンデュル。
誰にも頼まれていないのに、過去を掘り下げて周りに面倒くさく煙たがれ、
リンダに無茶な難題を突きつけられ、アイスランドのおじさんは奔走します。
題名の「サイン」は何を意味するかネタバレするので書きませんが、とても良い題だと思います。
更に中身もくどくなく、かといって軽くなく、「死」というもの考えさせられる内容で
話の展開も良かったです。
アイスランドの荒涼とした空気感を感じたくなり映画「湿地」を久々に見直しました。
映画 「湿地」 はこちら
監督:バルタザール・コルマウクル
出演:イングヴァール・E・シーグルソン, オーグスタ・エヴァ・アーレンドスドーティル
レイキャビク警察のシリーズは既にこの本の後にも 6作本国では出版されているようで
少なくともエーレンデュルが主役の4作は翻訳されると思うので、まだまだ楽しめそうです。