【 印 】サインはプルーストなのか、レイキャビク警察のエーレンデュルが追う

印 サイン2022/5/13アーナルデュル・インドリダソン著,柳沢由実子翻訳

「印 サイン」アーナルデュル・インドリダソン:著 東京創元社

ストーリー

アイスランドの レイキャビクの湖畔にあるサマーハウスで一人の女性が首吊りをした状態で発見された。

自殺で事件性はないと判断されたが、レイキャヴィク警察のエーレンデュルは何故か腑に落ちず,,

生前マリアは死後の世界に興味を持ち、霊媒師にかかり、

夫のパルドヴィンには怪しい過去があり、

最近亡くなった母のレオノーラと、過去に不審死した父のマグヌスなど、

マリアの死にはたくさんの糸が絡まりあい、エーレンデュルは一人で捜査を進めていく。

エーレンデュル捜査官シリーズ第6弾




プラス情報「エーレンデュル捜査官シリーズ」

「エーレンデュル捜査官シリーズ」
湿地 2012/6/9
緑衣の女 2013/7/11
2015/7/29
湖の男 2017/9/21
厳寒の町 2019/8/22
 2022/5/13
アイスランド推理小説大賞受賞/CWAインターナショナルダガー賞最終候補作



読むネコポイント

このシリーズはゆったりと時が流れる感じで好きです。

アイスランドの広大な自然がそうさせるんでしょうか。

会話の滔々とした感じ、東北地方に母方の田舎があった私には、グッときます。

今回は、自殺に違いないとされ、簡単な聞き込みで終了するはずだったマリアの死をめぐり

湖のように深い深層へとエーレンデュルはハマっていきます。

と同時に娘のリンダとの距離が更に縮まっていくので、

クールなエーレンデュルの過去や家族感なども見えてきます。

元嫁も出てきますよ w



マリアの身辺を再調査しつつ、過去の失踪事件2つも同時に個人的に追うエーレンデュル。

誰にも頼まれていないのに、過去を掘り下げて周りに面倒くさく煙たがれ、

リンダに無茶な難題を突きつけられ、アイスランドのおじさんは奔走します。

題名の「サイン」は何を意味するかネタバレするので書きませんが、とても良い題だと思います。

更に中身もくどくなく、かといって軽くなく、「死」というもの考えさせられる内容で

話の展開も良かったです。

アイスランドの荒涼とした空気感を感じたくなり映画「湿地」を久々に見直しました。

映画 「湿地」 はこちら
監督:バルタザール・コルマウクル
出演:イングヴァール・E・シーグルソン, オーグスタ・エヴァ・アーレンドスドーティル

レイキャビク警察のシリーズは既にこの本の後にも 6作本国では出版されているようで

少なくともエーレンデュルが主役の4作は翻訳されると思うので、まだまだ楽しめそうです。

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