「誤解だらけの発達障害」岩波 明:著 宝島社新書
ストーリー
メディアに溢れる発達障害に関する情報は“玉石混交”であり、誤った情報が真実のように語られている場合も少なくない。薬物療法を一方的に攻撃したり、特定のサプリを“特効薬”と推奨したりする記事。「空気の読めない変わった人」に対しては一般の人も、精神科医でさえも、アスペルガー症候群と決めつける傾向―。本書はこのような「誤解」の多い発達障害について、その事実(ファクト)を明らかにすることを目的として専門医である岩波明氏が執筆した。原因、症状、診断基準、治療法など発達障害の多岐にわたる疑問に岩波氏が答える形式をとっているため、気になる項目から読むこともできる。
引用: 「BOOK」データベース
プラス情報
岩波/明
1959年、神奈川県生まれ。昭和大学医学部精神医学講座主任教授(医学博士)、発達障害専門外来を担当。2015年より昭和大学附属烏山病院長を兼任。東京大学医学部卒業、都立松沢病院などで臨床経験を積む。東京大学医学部精神医学教室助教授、埼玉医科大学准教授などを経て2012年より現職。主な研究分野は精神疾患の認知機能障害、発達障害の臨床研究など引用: 「BOOK著者紹介情報
読むネコポイント
発達障害って最近よく耳にするけど何だろう、という人にはぴったりの本です。
初心者さん向けだと思います。
反対から言えば、当事者で困っている人や、周りに発達障害者がいて悩んでいる人、などには不要です。
発達障害《ASD(自閉症スペクトラム/旧アスペルガー) ADHD(注意欠如・多動症)》グレーゾーンの当事者である運営者が読んだ素直な感想をこれから書きますと、、、
全体的には、権威ある頭の良い先生なはずなのに 「若干古臭い」 と思わずにいられませんでした。
いわゆ昔のお医者さんで、学会の発表をベースにしているなぁと。
嫌だと感じたのは、ASD、ADHD の有名人をあげているところです。
誤解を生むでしょ、それこそが。
多分、ASD 、ADHD の人に希望を持ってもらいたい、と載せたのかもしれませんが
天才型 = ASD (自閉症スペクトラム/旧アスペルガー)
きらめく発想力 = ADHD (注意欠如・多動症)
もう、そういう短絡的なのはやめましょうよ。
B型は天才型で、、みたいなのと一緒ですよ。
もう一つ 「?」 と感じた部分があります。
「透明性が重視された管理社会の中で、発達障害者はますます生きづらくなっている。
昔は社会がおおらかで発達障害者にとって、それを意識せずに生きられた。」
と書いてありましたが、 「え、 そうかな!?」 です。
透明性が出てきたので、発達障害者にスポットが当たり、社会はそれを受け入れる方向へ進んでいる、まさにその過渡期なだけ。
発達障害者は、昔から我慢していただけだったと思います。
社会や集団から
LDは勉強できない子
ASDは奇人変人
ADHDは軽んじられ、
上記のキャラ付けされた上で、仲間に入れてもらっている状態だっただけ。
そんな定型の人の上から目線の昔の社会を、寛容と表現するのは、変ですよ。
まさに診察する側、お医者さん側目線の「発達障害」がこの本には載っていると言わざるを得ないです。
体系立てて書いてある部分は、学術書を一般の人にわかりやすく解説している感じで、理解しやすいと思います。
発達障害のことを知りたいなと思っている ビギナーさんにオススメです。