【 エージェント17 】序盤ライト・中盤ノーマル・終盤ノワールで変化するスパイ小説

エージェント17 (ハヤカワ文庫NV) 文庫 –2025/1/8発売はジョン・ブロウンロウ著で武藤陽生翻訳早川ミステリ

エージェント17」:ジョン・ブロウ著 早川文庫

ストーリー

暗殺専門のエージェント「17(セブンティーン)」。

トップエージェントの彼は、ハンドラーからとある作家の暗殺を依頼される。

作家を探るとその正体は、過去最高のスパイと言われた「16」であった。

プロ中のプロ「16」と「17」の攻防の末の結末は如何に。

哀しきスパイをユーモアあふれる文体で、テンポよく紡ぐスパイ小説。

 
ストーンサークルの殺人とはハヤカワ・ミステリ文庫2020/9/3M・W・クレイヴン:著、柳 智之:イラスト、東野さやか:翻訳

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2021年4月5日

プラス情報

著者ジョン・ブロウンロウはドラマなどの脚本を手がけており、本作で小説デビュー
CWA賞スティール・ダガー賞を受賞した傑作スパイアクション小説
続編も母国では既に刊行

読むネコポイント

シンプルなタイトルの如く、無駄な登場人物や風景描写など無いスパイ小説です。

最初はポール・オースターの作品のような印象でした。

スタイリッシュでミニマム、シニカルなユーモア溢れる文章です。

本の1/3くらいまで17のスパイ生活が描かれ

淡々としているので少し飽きてきます。

残りずっとこんな感じなのかな、

読み終えるられるかなぁんて思っていましたが、、、

 

ただただ人殺しのプロとして仕事をこなしていた17に、転機が訪れます。

元最高のスパイとうたわれた、16との出会いです。

彼の暗殺計画を命じられた17

引退したおじさんをナメてかかっていた16の奇襲は失敗します。

ホテルの受付のこじらせ女子(といってもアラサー)キャット

窮地を助けられた辺りから

話の展開が軽い文体から、少々人間模様が描かれ濃密に。

 

そして最後はノワールです。

銃撃戦、爆破、バンバン人が死に、最初のノリとは全く違う世界へ。

個々の人生や背負ったものや生き様、愛と戦いが錯綜し、

17は新たな道を選択します。

後半、もう大好きなノワールに突入し、管理人きょまタローは駆け足の如く読み進みました。

続編は既に英語圏では刊行済み

早く日本で出ないかなと楽しみです!