
「エージェント17」:ジョン・ブロウ著 早川文庫
ストーリー
暗殺専門のエージェント「17(セブンティーン)」。
トップエージェントの彼は、ハンドラーからとある作家の暗殺を依頼される。
作家を探るとその正体は、過去最高のスパイと言われた「16」であった。
プロ中のプロ「16」と「17」の攻防の末の結末は如何に。
哀しきスパイをユーモアあふれる文体で、テンポよく紡ぐスパイ小説。
プラス情報
著者ジョン・ブロウンロウはドラマなどの脚本を手がけており、本作で小説デビュー
CWA賞スティール・ダガー賞を受賞した傑作スパイアクション小説
続編も母国では既に刊行
読むネコポイント
シンプルなタイトルの如く、無駄な登場人物や風景描写など無いスパイ小説です。
最初はポール・オースターの作品のような印象でした。
スタイリッシュでミニマム、シニカルなユーモア溢れる文章です。
本の1/3くらいまで17のスパイ生活が描かれ
淡々としているので少し飽きてきます。
残りずっとこんな感じなのかな、
読み終えるられるかなぁんて思っていましたが、、、
ただただ人殺しのプロとして仕事をこなしていた17に、転機が訪れます。
元最高のスパイとうたわれた、16との出会いです。
彼の暗殺計画を命じられた17。
引退したおじさんをナメてかかっていた16の奇襲は失敗します。
ホテルの受付のこじらせ女子(といってもアラサー)キャットに
窮地を助けられた辺りから
話の展開が軽い文体から、少々人間模様が描かれ濃密に。
そして最後はノワールです。
銃撃戦、爆破、バンバン人が死に、最初のノリとは全く違う世界へ。
個々の人生や背負ったものや生き様、愛と戦いが錯綜し、
17は新たな道を選択します。
後半、もう大好きなノワールに突入し、管理人きょまタローは駆け足の如く読み進みました。
続編は既に英語圏では刊行済み
早く日本で出ないかなと楽しみです!