
「死はすぐそばに」アンソニー・ホロヴィッツ:著 創元推理文庫
ストーリー
閉ざされた集合住宅でクロスボウの矢を喉に突き立てられて殺されたのは、
新参者でトラブルメーカーの ジャイルズ・ケンワージー だった。
ご近所トラブルのよくある事件かと思われたが、住人全てに秘密と動機が。
更には容疑者が自殺を図ったため、事件は不可解な方向へ進む。
捜査のアドバイザーとして呼ばれたのは、元刑事のホーソーンと助手のジョン・ダドリー。
ホーソーン&ホロヴィッツシリーズの第5弾!!
過去の事件を振り返るアンソニー、その結末は!?
プラス情報
ホーソーン&ホロヴィッツ・シリーズは10作を予定
本作は5作目!!
『名探偵アスティカ・ピュント』の推理はいかに
読むネコポイント
こちらの「ホーソーン&ホロヴィッツ」シリーズも半ばに来まして、
ポーカーフェイスでミステリアスなホーソーンの過去なども、少しづつ見えてまいりました。
本編は「殺しへのライン(前作)」の執筆終わり間近なホロヴィッツが、
次作として、ホーゾーンが手がけた過去の事件に着目するところから始まります。
ホーソーンが(いつものように)反対するのを横目に、テムズ川近くの高級住宅地
「リヴァービュー・クロース」で起こった事件をアンソニーが掘り返し始めると
そこには、ホーソーンの昔の相棒 ジャイルズ・ケンワージー の存在が。
彼が気になり、よりホロヴィッツはリヴァービュー・クロースの事件にのめり込みます。
外と隔絶された空間に6世帯が暮らすリヴァービュー・クロース、
まるで郊外の上品で牧歌的な街のようなところ(コッツウォルズのよう)。
隣人同士適度な距離を保ちつつ仲良く暮らす、作り物のようなその空間に
金融業のガサツなケンワージー家が越してきたことで、調和が崩れていきます。
住民の不満が溜まりに溜まった結果、ケンワージーは喉をクロスボウで撃たれて殺され
疑心暗鬼な空気の中、容疑者のブラウンが自殺を図ります。
早く解決したいカーン警視と、ブラウンの自殺を疑うホーソーンの確執は解けるのか。
過去の事件の資料を繋ぎ合わせながら進むアンソニー、それにいい顔しないホーソーン
こちらの歪みあい(いつもの二人の感じ)は相変わらずで物語は進んでいきます w
ホロヴィッツは事件もそうだがホーソーンの過去が気になってしょうがない。
ジャイルズの正体が分かればホーソーンの過去に繋がるのではと探り出すのですが
側から見てると、ヤキモチ妬いてるようにしか見えんのですよ w
結果、ジャイルズを追っている内、不可思議な組織の存在に足を突っ込むことになり
更にホーソーンの怒りを買うだけなんですけどね、、、健気ですねホロヴィッツさん
二人のBLにも見ようによっては見えてきちゃうほどの今作でした(ファンの人ごめんなさい)
謎解きの方は、捻りはありませんでしたが
「死はすぐそばに」は人間ドラマの要素が強いところは
キャラがより浮き立っていて「刑事フォイル」(アンソニー・ホロヴィッツ脚本のドラマ)みたいで
個人的には好きだったりします。
シリーズも中盤です、6作目も楽しみな限りです!!