「復活の歩み リンカーン弁護士 上下」マイクル・コナリー:著 創元推理文庫
ストーリー
ミッキー・ハラーとハリー・ボッシュのタッグは、冤罪である無実の罪の服役囚を救えるか。
以前無実の服役囚を救い出したミッキー・ハラーの元には、冤罪を訴える囚人からの手紙が殺到し、元刑事の勘でボッシュは嘆願を選別をしていた。
ルシンダ・サンズは前夫殺害により5年間服役いる女性、彼女に目をとめたハリーだったが。
「不抗争の答弁」を受け入れたルシンダには不利な条件が揃っていたが、ミッキーとハラーは無実を確信し、再審請求に向け動き始める。
ギャングや保安官、FBI、検察、司法制度、横槍が入る中、証拠をくつがえすことができるのか。
熱い魂を持った二人が司法制度に挑む!!
プラス情報
著者について
Michael Connelly:1956年生まれ。LAタイムズ元記者。代表作としてはボッシュ・シリーズ、リンカーン弁護士シリーズがあり、当代随一のストーリーテラー。引用: 出版社より
リンカーン弁護士真鍮の評決 リンカーン弁護士 証言拒否 リンカーン弁護士2022
読むネコポイント
このブログでミッキー・ハラーのシリーズは初紹介となります。
満を辞してになりましたが、第7弾「
」貪り読みました!!元々このシリーズの始まりのミッキー・ハラーは、バス停留所のベンチに写真広告を掲載しているような、俗物的な弁護士としての登場でした。
家賃や事務所代わりで乗っている車リンカーンのレンタル代を稼ぐのに必死、口八丁手八丁でその場を切り抜け日々疲弊していたわけです。
その反面、非常に正義の血が湧き立つストイックな部分も持ち合わせており、そこが作品を盛り上げてもおりました。
作品の様相の変化は、ミッキーとハリーが異母兄弟であることが発覚してきたあたりでしょうか
ミッキーの奥底にある正義の熱い血は、ハリーと一緒だったんですね(贖罪の街)。
更に二人がタッグを組んで事件の真相を探り裁判で勝利し始め、
ハリー・ボッシュシリーズ前作「正義の孤」の終わりでは、14年間無実の罪で服役していたホルへ・オチョアの無実を証明して今回へと繋がります。
もはや、ミッキーはダーティな影が付きまとう弁護士からは完全に脱却し、新たな道へ進みます。
題名通り「復活の歩み」であり、ルシンダの再生への道のりとリンクしているんです。
更にはハリーの復活でもあります。ここら辺はネタバレなので最後に書きます。
上巻は、状況の把握を主として、証拠集めや裁判を中心に進むのですが、マイクル・コナリーは非常に読ませ上手で、錯綜した内容ですがスルッと内容が入ってきます。
下巻はもうあっという間で、読まずに栞を挟んで明日読もう、なんてことは無理でした ww
マイクル・コナリー作品は全て読んでいますが、近年囁かれる ”ミッドナイトカタルシス” なんかがハリーにのしかかってくは
白血病が悪化してしまい、次作でもうシリーズは完結か、、、とハリーと一緒に歳を重ねてきた者としては哀しみを超えたカタルシスを感じ始めていました。
ここからはネタバレがあります!!
ハリーシリーズ終了を発表していたマイクル・コナリーでしたが、前作「正義の孤(デザートスター)」と本作の執筆の間に心境の変化が訪れたらしく、
次作レネイ・バラードシリーズ「The Waiting」ではハリーが活躍しているそうですよ!!!
本作では、ミッキーのフォローにより、ハリーは最先端の白血病治療を受けて主治医から寛解を告げられています。
あぁ 良かった (涙)
当座ハリーは生きながらえました。
今後は、娘マディが警察官・刑事として物語を引き継いでいくんでしょうかね、、、そうあって欲しいものです。